「ラテマネー」という言葉をご存知でしょうか。毎朝カフェで買うコーヒーや、コンビニでついで買いしてしまうお菓子など、日々無意識に使ってしまう少額のお金のことです。

「たかが数百円だから」と侮ってはいけません。資産形成やFIRE(早期リタイア)を目指す過程において、この「数百円のラテマネー」を削って投資に回す行為(=つもり貯金)が、実はリタイア時期を年単位で前倒しするほどの破壊力を持っています。

今回は、テモトバコの「FIRE達成メーター」と「つもり貯金箱」の考え方を組み合わせて、具体的なシミュレーションを行ってみましょう。

設定:平凡な会社員「Aさん」のケース

まずは基準となるAさんの状況を設定します。

  • 現在の年齢:30歳
  • 現在の総資産額:500万円
  • 毎月の基本積立額:5万円(NISAなどでインデックス投資)
  • 運用利回り:年利5%(手堅い世界株式インデックスを想定)
  • FIRE後の目標生活費:月25万円(年間300万円)

※4%ルールに基づくと、年間生活費300万円を賄うためのFIRE目標資産額は「7,500万円」となります。

【基本シナリオ】今のまま積立を続けると…?

この条件で、今のまま毎月5万円の積立を年利5%で続けた場合、FIRE達成(7,500万円到達)までどれくらいかかるでしょうか。

📊 基本シナリオの計算結果

FIRE達成までの残り期間:31年と6ヶ月(達成時年齢:61歳)

61歳でのリタイアは「早期(Early)」とは言い難いかもしれませんが、立派な老後資金の形成です。しかし、もしもっと早く自由になりたい場合、どうすればいいでしょうか。

シミュレーション:毎日「スタバ」を我慢してみる

ここで、Aさんが「毎朝出勤前に買っていたカフェラテ(約500円)」を我慢してマイボトルを持参し、その500円を「つもり貯金」として毎日の投資額に上乗せしたとします。

500円 × 30日 = 月額 15,000円

この15,000円を、元々の基本積立額(5万円)に上乗せして、毎月65,000円を投資に回します。

【ラテマネー我慢シナリオ】月1.5万円を追加すると…?

「たかが1.5万円増えただけ」と思うかもしれません。しかし、長期の複利運用における1.5万円の追加は、驚くべき結果をもたらします。

🚀 ラテマネー我慢シナリオの計算結果

毎月の積立額:65,000円

FIRE達成までの残り期間:28年と2ヶ月(達成時年齢:58歳)

3年4ヶ月の短縮
たかが毎日500円の節約がもたらした時間

なんと、毎日のコーヒー代500円を「つもり貯金」して投資に回すだけで、労働期間が3年以上も短縮されました。3年4ヶ月分の「自由な時間」と「労働のストレスからの解放」を、毎日のコーヒーと引き換えに買ったと言えます。

さらにストイックに:週末の「謎の飲み会」を断る

さらにAさんが、会社の同僚との「特に意味のない週末の飲み会(1回約5,000円)」を月に2回断り、その10,000円も「つもり貯金」に回したとします。

これで追加の積立額は、コーヒー代(15,000円)+飲み会代(10,000円)= 月額25,000円のプラスとなります。
基本積立額の5万円と合わせて、毎月75,000円の積立になります。

【コーヒー+飲み会我慢シナリオ】月2.5万円を追加

🚀🚀 追加節約シナリオの計算結果

毎月の積立額:75,000円

FIRE達成までの残り期間:26年と4ヶ月(達成時年齢:56歳)

基本シナリオ(31年6ヶ月)と比較して、なんと「5年2ヶ月」もFIREが早まりました。50代半ばでのリタイアが見えてきました。

「節約」を「苦痛」から「ゲーム」に変える

人間は「我慢」が嫌いな生き物です。「コーヒーを飲みたいのに我慢する」という行為だけでは、ストレスが溜まって長続きしません。

しかし、「今日の500円を投資に回せば、将来の労働が3日減る」というように、我慢を「未来の時間というリターン」に変換して可視化できれば、脳はそれを「苦痛」ではなく「報酬(ゲームのスコアアップ)」として認識するようになります。

これが、行動経済学でも有効とされる「メンタルアカウンティング(心理的財布)」のハックです。

今日、あなたが我慢したその数百円。それで何日FIREが早まるか、計算してみませんか?

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