求人票でよく見かける「月給28万円(※40時間分のみなし残業代を含む)」。パッと見ると給与が高く見えますが、実はこれ、多くのビジネスパーソンを苦しめている巧妙な罠(ブラックボックス)である可能性があります。

今回は、テモトバコの「真の時給計算機」を用いて、一見すると普通に見える年収400万円の会社員が、実はアルバイトの最低賃金以下で働かされている可能性についてシミュレーションします。

みなし残業(固定残業代)の仕組み

「みなし残業」とは、実際の残業時間に関わらず、あらかじめ一定時間分の残業代を給与に含めて支給する制度です。

企業側の建前としては「ダラダラ残業を防ぎ、効率よく働いた人が得をする制度」ですが、悪質な企業では「いくら残業させても追加で残業代を払わなくて済む、定額働かせ放題プラン」として悪用されています。

⚠️ ブラック企業でよくある実態

みなし残業時間を超えて働いても、超過分の残業代が支払われない(サービス残業化)。または「タイムカードを定時で押すように」と暗黙の強要がある。

シミュレーション:Bさんの「真の時給」を暴く

IT企業に勤めるBさん(28歳)のケースを見てみましょう。額面だけ見れば、同年代の平均的な水準です。

  • 額面年収:400万円(月給約33万円/みなし残業45時間含む)
  • 所定労働時間:1日8時間(月20日出勤)

これだけを見ると、Bさんの表向きの時給は約2,083円(年収400万 ÷ 年間労働1,920時間)となり、悪くないように見えます。しかし、現実は違います。

Bさんの「見えない拘束時間(隠れ負債)」

Bさんの実際の生活をヒアリングし、すべての「会社のための拘束時間」を洗い出しました。

  1. 実質の残業:毎日平均2時間。月間で約40時間(みなし残業内なので追加手当ゼロ)。
  2. 通勤時間:片道1時間(満員電車)。往復で毎日2時間。
  3. 始業前拘束:毎朝の朝礼と清掃のため、始業時間の30分前に出社が暗黙の義務。
  4. 昼休みの電話番:週に2回は昼休みに電話番をさせられ、実質休めていない(週1時間)。
  5. 会社の飲み会:月に1回、金曜夜に「絶対参加」の飲み会(約3時間)。

「真の時給計算機」での算出結果

これらのリアルな数字を、テモトバコのシミュレーターに入力してみます。

1,180円
Bさんの真の時給

結果は残酷なものでした。東京都の最低賃金(1,113円 ※2023年時点)をわずかに上回るレベル、地方の時給の高いアルバイトとほぼ変わらない金額まで転落しました。

さらに恐ろしいのは「年間無給拘束時間」です。通勤やサービス残業を含めると、Bさんは年間約780時間(労働日数にして約97日分)もの時間を、実質無給で会社に捧げている計算になります。

なぜこんなことが起きるのか?

最大の原因は、労働者が「給与明細の額面」しか見ていないことにあります。

企業は、基本給を極限まで低く抑え、そこに「みなし残業代」や「職務手当」といった名目で金額を上乗せすることで、一見すると高い給料を払っているように見せかけます。
しかしその裏では、労働者の1日の大半の時間(通勤や休憩時間の事実上の拘束)を奪い取っているのです。

真の時給を知った後に取るべき行動

自分の時給が最低賃金レベルだと知ったとき、絶望するのではなく「戦略的」に動くことが重要です。

  1. リモートワーク可能な企業への転職:通勤の往復2時間が消えるだけで、真の時給は劇的に跳ね上がります。
  2. みなし残業のない(または少ない)企業への転職:基本給の割合が高い企業を選びます。
  3. 会社の飲み会を断る:「月1回、3時間」の不毛な飲み会を断るだけで、年間36時間の自分の時間が戻ってきます。

あなたの会社は、実は「定額働かせ放題」のブラック企業ではありませんか?今すぐ現実の数字を計算してみましょう。

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